懐かしのジャスト・マイ・ホーム (7)
取り合えずその時点のArisMapに搭載されている仮想三次元空間を活かし急いでモデリング作業を開始したのです。
ペーパーロケーションにて現地の概略を把握し今回精細にモデルを追加する範囲を検討しました。決定後はBさんとSさんが現地に出かけ素材データの取得に励んでくれたのです。
そして景観の中心となる周辺構造物を順次、三次元モデルとして生成してくれました。
私はH社から頂いた新しく建替えられる橋の設計図面を三次元モデル化することを急いだのです。
初めてのことで二、三日の徹夜が続きましたが難なくリアルな空間の中に未来の景観が浮かび上がってきました。三次元空間シミュレーターの中にインポートされたArisMapはこれもまた私の予想通りの出来映えだったのです。
現在では当たり前のように言われるようになりましたが当時はまだ私が言っていた地域全体での合意形成ツールの運用などは富山県では考えられませんでした。
H社が行った県へのプレゼンは大好評であったようです。説明会の中で計画モデルをインタラクティブに変更したりして個々の質問にタイムリーに答えていくことは驚きであったはずです。
それを受けてその後H社は地元説明会にも頻繁に借り出されたとのことでした。
県やH社の思惑は大きな事業を推進するに際して地元説明などで難しい局面が予想される時に解決の切り札として取っておきたかったようでした。
JMHを役所に提供しようとは考えてもいませんでしたがその機能の一つであるリアルタイム景観シミュレーションが誘い水にCALSの運用を迫って見ようなどと良からぬことを期待したかもしれません。
だがその期待はまったく持って見当違いな結論で終わったのでした。
H社の営業から言われたことは当にお役所的な思考がはっきりと現れていたのです。“こうゆうシステムを県の出先や市町村にデモをしたり提案したりすることは暫く慎んでもらいたい。”とのことだったのです。
最初から地域全体で合意を形成することなどは考えてもいないことであって問題が出た時の対処療法の一つとしてこっそりと温存しておきたいというのでしょうか?

